梅雨前線が日本列島の南側に貼りついて、いよいよ雨の季節を
迎えました。一般的には旅を控えるシーズンではありますが
新緑が水蒸気に映えて美しさを増すのもこの季節。また霧に
霞む里山や、山城からの雲海の眺めなど、象徴的な言葉を敢え
て使えば「和」と「なごみ」の景観が引き立つ時期と言えま
しょう。

そこでこの季節にひときわ存在感を増す古都鎌倉を訪ねてみては
いかがでしょうか。青い翼、ANA(全日空)がこの季節には似合う
ような気がしますね。ANA Wi-Fiの設備もどんどん拡張させて
います。それに何より全国各地からの羽田への路線はもっとも
充実しています。コールサインの「オールニッポン」は伊達じゃ
ありません。さあ、いざ、カマクラへ!

■明月院
梅雨時は紫陽花(あじさい)が最も美しい季節です。この時期の
明月院は別名である「あじさい寺」の名に恥じないような見事な
ブルーの色彩に染まります。と言うのもここのあじさいは、日本
古来種の「ヒメアジサイ」と呼ばれるもので、西洋種のものに比べる
と花がやや小ぶりで鮮やかな青色が特徴的な品種とのこと。それが
見る人により可憐な印象を与え、また敷地全体が青く染まったように
みえるのですね。

明月院は元々禅興寺という大きな寺院の塔頭(たっちゅう、寺内
寺院)でしたが明治初期に禅興寺が廃寺となってしまい、明月院
だけが残ったという経緯があります。この時期だけ公開される本堂
後庭園にはあじさいだけではなく、花菖蒲も競うかのように咲き誇り
訪れる人の目を楽しませてくれます。

横須賀線の北鎌倉駅からさほど遠くないことから休日などは
駅から行列ができるほど混み合う。旅にある人にはぜひ平日に
それも朝いちか、閉門少し前をお薦めします。

鎌倉の観光スポットとしてはどうしても寺社関係がラインナップ
されがちですが、ミュージアム系も見逃せません。神奈川県立近
代美術館の閉館はショックな出来事でしたが、同館の鎌倉別館
(本館の閉鎖に伴う整備のため現在休館中)と葉山館は存続されます。

■鎌倉文学館
そしてぜひ一度訪れていただきたいのが鎌倉文学館です。ご存じの
通り鎌倉は川端康成をはじめとした多くの文学者に愛された町であり、
ゆかりの文人は300人を超えるとさえいわれています。ある意味では
日本の文学を支えて来た彼らの業績を顕彰し、資料を展示することが
鎌倉文学館の設置目的となっています。それだけに展示内容も見ごたえ
のある貴重な資料が多くなっています。ちなみに今は萩原朔太郎の特別展
が開催されています。またこの文学館は建物と庭も見どころとなっています。

■スターバックスコーヒー鎌倉御成町店そして歩き疲れたらスタバで休憩を。以前スタバのコンセプトショップを
特集した時にも登場しました。「フクちゃん」などで著名な漫画家、横山隆一
氏の邸宅跡地に建てられています。しかし庭にあった桜の木やプール、藤棚
などはそのまま残されていて心地良い空間が演出されています